不動産を相続した場合、基本的には相続登記を行って名義人を変更しておくことをおすすめします。相続登記には期限が設けられていないので放置しても問題はありませんが、放置すると様々なトラブルが発生する恐れがあります。
ここでは、相続登記のメリットとともに、申請の流れと費用、登記後に不動産売却するポイントについて解説していきます。
名義人変更を行わないリスクと相続登記のメリット
そもそも相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった際にその名義を相続人に変更する手続きのことを指します。この相続登記には明確な期限が設けられていないので、放置しても罰則などが発生することはありませんが、放置すると納税通知書などが自身に届かない恐れがありますし、共同相続人の誰かが借金をした際に差し押さえられてしまう可能性も否定できません。
加えて、相続登記には様々な書類が必要ですが、公的書類には保管期限が設けられているため、相続登記を行わないでいると必要書類の取得が困難になってしまう恐れもあるので注意が必要です。
このように、名義人を相続人に変更しないと様々なリスクが生じますが、相続登記を行うとこれらのリスクが無くなるとともに、相続した不動産が売却できるというメリットがあります。
相続した不動産を空き家や空き地として放置すると、維持管理費だけがかかってしまうので、相続した不動産を利用しないケースでは基本的に売却するのがおすすめですが、名義人以外が不動産を売却することはできません。
相続登記を行わないと名義人が故人のままなので、そのままの状態では不動産を売却できませんが、相続登記を行えば売却することが可能となります。
相続登記の流れと費用を把握しておこう
相続登記の大まかな流れとしては、まず戸籍謄本などの相続証明書を取得し、複数人で相続する場合は遺産分割協議書を作成します。そして、必要書類を準備するとともに、法務局で登記申請手続きを行います。
相続登記の必要書類としては、故人の戸籍謄本など・住民票の除票、相続人全員の戸籍謄本・名義人になる相続人の住民票・遺産分割協議書・相続人全員の印鑑証明および身分証明書・固定資産評価証明書などが挙げられます。
なお、相続登記には登録免許税がかかるので、金融機関で支払った際の領収書を持参するか、法務局の印紙売り場で収入印紙を購入して納付してください。
また、相続登記を行う際は上記した登録免許税の他にも、司法書士への報酬や必要書類の取得費用がかかります。登録免許税は、固定資産税納税通知書に記載されている固定資産評価額に0.4%を掛けることで算出できます。
相続登記を司法書士に依頼する場合の報酬は、どこまでの作業を依頼するのかによって異なりますが、登記のみを依頼する場合は3~7万円程度、全面的に任せる場合は7~15万円ほどが相場です。相続登記に必要な書類を取得する費用は、1通あたり数百円程度なので、総額では数千円ほどで収まるでしょう。
相続登記後に不動産売却するポイント
今回は相続登記のメリット、流れと費用などについて解説してきましたが、相続登記後に不動産売却するポイントとしては複数の不動産会社に依頼することです。複数の不動産会社に査定を依頼することで、より良い条件で売却できる可能性が高まります。
一方で、複数の不動産会社に査定を依頼するには時間も手間もかかるので、一度に複数社に査定を依頼できる一括査定サービスを利用することをおすすめします。